自分

「これからの30年を次世代のために使う」という考え方

喜多川泰さんの「秘密結社ladybirdと僕の6日間」という本を読みました。

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今回は、読書感想文の受章会で出会った中学生のメンバーが、お互いの夢の実現をサポートする秘密結社を作ることから始まり、実際に夢を叶えた大人になってからのメンバーと、逃げてばかりの高校生との交流が描かれています。

秘密結社を作る理由として、私たちは「いつも、他人との約束を守って生きている」けど、「自分との約束を守るのは難しい」ということが述べられていました。

確かに、人との約束を破らないために、私たちは必死に頑張るけど、自分が決めたこと、やろうと思ったことは、すぐに諦めてしまうことがなんと多いのだろうと、思います。

秘密結社の目的は、誰かが一流になって、誰かを引き上げるというようなことではなく、自分一人の力で夢を叶える、つまり自分との約束を守ることができるようにお互いに切磋琢磨していこうということです。

私たちは、自分を引き上げてもらうために、つい誰かを利用しようと考えてしまうけれど、そんな関係は、真の関係ではないですよね。

心の持ち方を深く考えさせられました。

もう一つ、人生の区切りについて、語られる場面があります。

「社会に出てからの30年間は自分の夢の達成のため」に使い、「その後の30年間は次世代のために使う」という考えです。

ということは、アラフィフの私は、これからの30年間を次世代のために使うということですね。

たいしたことをやってきたわけでもない私が、次世代のために何をできるだろうと考えました。

ふと、youtubeで拝見した、田坂広志さんのお話「風の夜話 第10話 「志」と似て非なる言葉、「野心」、何が違うのか」の中で、「野心」と「志」というお話しがあったことを思い出しました。

「野心」とは、己一代で何かを成し遂げようとする願望。
「志」とは、己一代では成し遂げられない何かを次の世代に託す祈り。

ということです。

先の話で言えば、最初の30年は、自分は何ものかになるのだという、自分の満足のみに向かう野心であり、残りの30年は、自分だけでなく、他の人のためになることを願い、活動していく時間となるでしょう。

それは、自分の人生では、成し得ないことかもしれないけれど、次の世代に託していけるような崇高な思いです。

稲盛和夫さんの著書「どう生きるか なぜ生きるか」でも、「人生の最初の20年は準備、次の40年は仕事、残りの20年は、死を迎える準備に使う」というお話がありました。

私たちの人生の目的は、「心を磨く」ということ。悟りまでいかなくてもいい。生まれたときよりも、進歩した心であるかが大事だということ。

人のことを思い、自分の人生でできるだけのことをやる。

そうか、自分にできることでいいんだなあ。

私にとってそれは、自分の経験を話すことかもしれないし、仕事に向き合う姿勢かもしれません。

心を穏やかに保ち、まわりの人を元気にすることかもしれません。

娘に自分が前向きに生きる姿を見せることかもしれない。

学んだことを胸に、日々過ごしていきたいと思いました。

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