戸田奈津子さんの「keep on dreaming(キープオンドリーミング)」 という本を読んだ。
戸田さんは、ハリウッドの大スターと一緒によくテレビに映られていたから、とても有名な方だ。
知らない人、いないんじゃないかと、思ったりする。
戸田さんのような字幕翻訳者になりたいと、憧れた人も多かったに違いない。
私自身、外大を出て、翻訳会社に勤務していたから、外国語に関わる仕事がしたいと思い、通訳者や翻訳者を夢見たりしたこともあった。
でも、勉強してみて、私には向いていない仕事だと悟った。笑
この本は、戸田さんの人生が綴られている。
戦争でお父様を亡くされながらも、戦後をたくましく生き抜き、字幕翻訳者としての地位を確立された。
戦後で、女性で、しかも映画という、本当に狭き門だ。その大変さといったら、言葉では言い表わすことができないだろう。
幼い頃から映画が大好きで、その情熱を持ち続け、字幕翻訳をやりたいと思ったこと。師に出会ったものの、その道は厳しく、30歳を過ぎてやっと字幕翻訳者として仕事を始めることができたという。
通訳の仕事も自信がなく、本当はやりたくなかったのだと語られているのには驚いた。
それでも、通訳、映画のあらすじまとめ、海外の映画制作会社とのコレポンなど、映画に関わることは何でもやったと話される。
自分が好きなこと、ワクワクすることをやろうと思ったときに、その道が厳しければ、突き進むことに躊躇するだろう。
だって、やってもダメだったら、時間が無駄になってしまうと、思ってしまうから。
それでも、その道を貫ける強さが、すごいと思った。
しかも時代が時代だ。
結婚して家庭に入るのが当たり前だったような時代に、自分がワクワクする仕事に一生を捧げるって、強い意志がないとできないと思う。
ああ、人は流されない強さを持っているのだ。
エゴに惑わされず、魂に沿った生き方ができれば、私たちは幸せを感じて生きていけるに違いない。
そのワクワクすることがわからなくなってるのが問題なんだろうけど。
戸田さんはとても元気だ。
忙しい日々のなか、ご友人との食事や、旅行も楽しまれている。
海外に行くときは、レンタカーを借りて旅をすると伺った。カッコ良すぎるではないか。
私は、日本でも運転はままならないので、海外で運転なんて、夢のまた夢だけれど。
今は80歳を過ぎていらっしゃるが、私も戸田さんのように、素敵に年齢を重ねたいなあと思った。
素敵な生き方を教えてくださってありがとうございます!この本に出会えて感謝します。